家族葬の落とし穴

家族葬の落とし穴

近年流行りの家族葬や火葬式、一見楽なように思えますが先を見据えると残されたご遺族が安心して生きていくことがなかなか難しくなるように思えてなりません。
やはり今こそ「通夜」の大切さを思い出して欲しいと思っています。ではなぜ通夜が大切かと言えば、故人の生前を偲びながら、故人を通して「いのちのつながり」をたずね私の命についてを今一度考える時間だからです。その上で「死ねば仏」にはならない。私のいのちの行方をたずね、故人の生前、どのような方と出会い、お世話になっていたのかを知る一番の機会なのです。核家族化が増え人との関わり、人とのつながりが少なくなり「人との出会いの素晴らしさ」が希薄になっているからこそ、その参列してくださる方々を通して「人に支えられ助けられてこそ」の私たちということの認識を持つ貴重な場ではないかと考えるのです。
また金銭的にも家族葬や火葬式では安上がりにはならない実態もあることを忘れて欲しくありません。
私は常々、「噂を信じちゃいけないよ!」と言っていますが、
「安く簡単に済ませたい」と家族葬や火葬式を選択する方は多いし、またお寺さんも「業者任せでお経を読めたらいい」など軽視している気がしますがこれはかなり危険である。
医者と同じで資格さえもっていれば良いのか?
違いますよね。ヤブ医者ならぬヤブ坊主では心温まる、心安らぐ、悲しみに寄り添えるお坊さんは来てくれません。
法話もいい加減、どこかで借りてきたような話を聞いても意味がありません。
普段から何でも相談できる(もちろん無料で)お寺さんとつながっている方が先々安心なのです。業者任せでは一つ一つ全てに料金が発生して、一度目は安価なのにニ度目からは料金が上がります。それでいて毎回お坊さんは違う人が来るなら信頼関係すら構築できませんからね。安いは安いなりのお坊さんが来ることが当然と言えます。(全てとは言いませんが)
大切な葬儀、御法事の場ですから恥ずかしくない僧侶を呼びたいのが喪主さまや施主さまの本音ではないでしょうか。
[安かろう、良かろう]はやはり無いと思います。
さて、話を戻しますね。
家族葬の費用は30人規模であっても100〜150万円程度はかかります。一般の葬儀の相場は200〜300万円です。
その内、香典収入で5〜6割は賄われるので結果的に家族葬も一般葬も費用が変わらないことがあります。

ここからが《重要》です。
親が葬儀費用を自分で出すと決めているなら、生前に喪主となる家族の口座に振り込んでおくか、現金で渡しておくことが賢明です。
なぜなら「死亡すれば口座は凍結され引き出すには故人の戸籍謄本や法定相続人すべての印鑑証明などを銀行に提出する必要があるので最短でも一週間程度の時間がかかるのです。
また先に振り込む際は生前贈与の形で非課税扱いになる年間110万円以下にとどめておくとよいそうです。」

《故人と家族のいのちのつながり》を明らかにして、故人無き日の過ごし方を暗いものとするのか、それとも安らかなものとするのか、選択はご遺族に任せられます。

是非とも後悔しないような選択をしていただきたいと願うばかりです。
仏法では「私のいのちは今日とも明日ともしれない。無常世界に生きる者の姿です。」と言われます。
準備は早過ぎることはありませんから。
日頃から何でも気軽に相談できるお寺さんとお付き合いしておくことも、きっと安心できる出会いとなると一言申し添えておきます。
超法寺は檀家制度は取っていません。
どうぞお気軽にお声掛けくださいませ。

合掌称名念仏

超法寺 住職 末田雅裕